【時系列】MA・AR・ARMA(理論編とR)
沖本本第2章のお話です。
さらに今回はこちらも参考にいたしました。
はじめに
正直このあたりから少しずつ難しくなってくるころだと思います。 最初読んだときはほとんど意味がわかりませんでした。
今回は要は自己相関をどうモデリングするかがテーマです。 その方法は2種類あって1つ目は同じ変数(ここではb)を使って
というあらわし方。こうすると、共通のbによってとが相関を持つようにできます。
もうひとつの方法がをを含んだ式にすること。
こうすることでとは相関を持たせることができます。
1つ目の考え方でモデリングしたのがMA過程で2つ目の考え方でモデリングしたのがAR過程です。
MA(移動平均)過程
の考えでモデリングします。 ホワイトノイズを拡張したモデリングとなります。 1次のAR過程をMA(1)過程とすると、
ちなみには
となり、共通のを持つことになります。
MA過程は自己相関をもつので、が正の場合、1次の正の自己相関が生まれ、そのの値が1に近づくほど強くなるのでグラフが滑らかになります。 一方、が負の場合、負の自己相関が生じその値が-1に近づくほどよりぎざぎざしたグラフとなります。
MA過程のRでの実装
ma_1 <- arima.sim(n=200,list(ma=1)) #MA次数は1、係数も1 plot(ma_1) ma_2 <- arima.sim(n=200,list(ma=-1)) #MA次数は1、係数は-1 plot(ma_2)
>0(上)のほうがグラフが滑らかで <0(下)のほうはギザギザしています。
AR(自己回帰)過程
をホワイトノイズをもちいてモデリングすると、
となります。 ちなみに過去の情報をもとに確定的に定まるのは 過去の情報とは無関係系に確率的に新たな情報を生む部分 ということでのみが新しい情報となります。
AR過程のRでの実装
ar_1<-arima.sim(n=200,list(ar=0.5)) # AR次数は1、係数は0.5 plot(ar_1) ar_2<-arima.sim(n=200,list(ar=-0.5)) # AR次数は1、係数は-0.5 plot(ar_2) ar_3<-arima.sim(n=200,list(ar=1)) # AR次数は1、係数を1にするとエラーとなる #Error in arima.sim(n = 200, list(ar = 1)) : # モデルの 'ar' 部分が定常ではありません ''' [f:id:imakoto0323:20180706123013p:plain] [f:id:imakoto0323:20180706123040p:plain] 係数[tex:\mid \phi_1 v]が1を超えると、過程が指数的に上昇し**爆発的**と呼ばれる状態になります。[tex:\mid \phi_1 \mid]が1未満の場合定常となります。
ARMA(自己回帰移動平均)過程
要はAR過程+MA過程です。 ARMA(p,q)過程は
経済分析では系列の変動を説明するのはARの部分であり、MAは付属部分となります。
ARMAモデルの推定はOLS(最小二乗法)か最尤法で推定します。