【時系列】VAR(グレンジャーの因果性検定)
沖本本4章3から。
グランジャーの因果性
現在と過去のxの値だけに基づいた将来のxの予測と、現在と過去のxとyの値に基づいた将来のxの予測を比較して、後者のMSE(残渣平方和)の方が小さくなる場合、ytからxtへのグレンジャー因果性(Granger causality)が存在するといわれています。
つまり、個人収入と個人消費の場合、
今年の個人収入 = 去年の個人収入×傾きA + 去年の個人消費×傾きB + 切片C
と
今年の個人収入 = 去年の個人収入×傾きA + 切片C
を比較した場合、前者のほうがMSEが小さい場合、去年の個人消費を変数に入れたほうがいいということになります。
(Granger因果による時系列データの因果推定(因果フェス2015)から拝借)
グランジャーの因果性検定
グランジャーの因果性検定とは、現在と過去のxの値だけに基づいた将来のxの予測と、現在と過去のxとyの値に基づいた将来のxの予測を比較して、後者のMSE(残渣平方和)の方が有意に小さくなるか検定するものです。
グランジャーの因果性検定の手順は (1) VARモデルにおけるyktのモデルをOLSで推定し、その残差平方和をSSR1とする。
(2) VARモデルにおけるyktのモデルに制約を課したモデル(例でいうと個人消費がないモデル)をOLSで推定し、その残差平方和をSSR0とする。
(3) F統計量を F≡(SSR0−SSR1)/rSSR1/(T−np−1) で計算する。ここで、rはグレンジャー因果性検定に必要な制約の数である。
(4) rFをχ2(r)の95%点と比較し、rFのほうが大きければ、ある変数(群)からyktへのグレンジャー因果性は存在し、小さければグレンジャー因果性は存在しないと結論する。
という方法です。
Rで実装
Rで計算するにはcausality(){vars}関数を使います。
causality(Canada.var, cause = "e") $`Granger` Granger causality H0: e do not Granger-cause prod rw U data: VAR object Canada.var F-Test = 5.5053, df1 = 9, df2 = 240, p-value = 6.882e-07 $Instant H0: No instantaneous causality between: e and prod rw U data: VAR object Canada.var Chi-squared = 23.585, df = 3, p-value = 3.049e-05