【時系列】VAR(理論編)
沖本本第4章です。
VARとは
VAR(ベクトル自己回帰)モデルはARモデルを多変量に拡張したものです。簡単に言うと「風が吹けば桶屋が儲かる」を実証する場合、 (桶屋の売り上げ)= (日々の平均風速)× 傾き + 切片 のような形になっているということです。回帰分析の形になっているというとわかりやすいかもしれません。
ただし、VARモデルでは変数がn個あるとn本の回帰式になります*1。具体的には
今年の個人収入 = 去年の個人収入×傾きA + 去年の個人消費×傾きB + 切片C
今年の個人消費 = 去年の個人消費×傾きD + 去年の個人収入×傾きE + 切片F
となっています。
ちなみにARモデルは
今年の桶屋の売り上げ = 去年の桶屋の売り上げ×傾き + 切片
でしたね。
VARの使用用途
VARモデルは例えばマクロ経済の個人収入と個人消費のように互いに影響しあっている場合に用いられます。
ですので「風が吹けば桶屋が儲かる」のように逆が言えない場合(桶屋が儲かれば風が吹くのは変ですよね)はARIMAXモデルを用います。
VARモデルの構造
2変数のVARモデルを数式で表すと
かく乱項とはホワイトノイズであり過去の地震の攪乱項と相関を持っていません。しかし、同時点の攪乱項同士は相関を持っていても大丈夫です。
例えば計算して算出した個人収入が仮に上振れしたとしたら、個人消費も上振れして外れるという関係がある場合があります。この場合攪乱項が相関を持つことになり、同時点の関係性を暗に認めたことになります。このような形式のモデルを見かけ上無相関な回帰モデル(SURモデル)とも呼びます。
*1:なぜそうなるか私はわかりません